小児ぜんそく診療について(長引く咳の診療の説明もあります)

当院の専門分野である、小児ぜんそくの外来診療についてお話しします。

日本アレルギー学会認定専門医(院長と副院長)が一緒にいろいろと相談もしながら診療させていただきます。

クリニックでぜんそくの専門診療をするメリット

「ぜんそくの専門外来」っていうと、例えば月に1回、大病院の外来の予約をとって、専門医の診察を受ける・・・ってそんなイメージですよね。僕もやってました(笑)。
でも、ちょっと敷居が高くないですか?クリニックの外来は、「数日、治療してみてうまくいかなかったらまた来てね」ができるのがひとつのメリット。とくに当院は次の外来の予約を、帰りに受付でおとりすることはいたしません。だいたいのペースを決め、また臨機応変に通院していただけるように、また、その必要性も患者さんにも考えていただけるようにしています。「まだ1週間しかたっていないけれど、ここは診察に行っておきたい・・・」、そんなふうに「考える」患者さんはきっと早く良くなります。私たちは、開業医が片手間に専門外来をするのではなく、開業医だからこそのメリットを皆さんに活用していただけるような専門外来を展開していきたいと思っています。

かりつけ医的な感覚が大切

そういうわけで、当院ではとくに、「かかりつけ医的感覚」での、「ぜんそく外来」を大切にしています。特に、ぜんそくという病気は、かぜなどさまざまな感染症の影響を受けるので、「かぜをひいたとき」にどうするか、は、ぜんそくと切っても切れない関係にあるのです。
また、診療のポリシーもぜんそく以外の場面でもお話ししていくと、実は根っこのところでとても役立つものがあります。急性疾患と慢性疾患の違いと相互関係、薬の使い方のメリハリなど、お話ししたいことはやまほどあります。それが先々役立つような外来をしていきたいと思います。一回の診療でお話しできることはやはり時間的にも限られてしまいます。多少ご遠方の方もおいでになると思いますが、ちょっと気持ちの上で、「ご近所感覚」「かかりつけ医的感覚」でおつきあいしていただけるとうれしいです。

アレルギー関連疾患のセカンドオピニオン外来

当院では、「かかりつけ医的感覚」での診療を大切にしていますが、セカンドオピニオンのような形で、気管支ぜんそくや長引く咳などの相談をされたいという方もときどきおみえになります。ただ、お時間がかかる診療になるので、受診をご希望の方は、こちらのページをご覧の上、お電話でご相談ください。

看護師と一緒に書いた本


当院の特徴は、看護師が寄り添う外来診療です。小児ぜんそくの本も何冊か書きましたが、やはりナースと一緒に書いたこの本が一番好きです。
この本は当院の小林晴美ナースと一緒に書きました。「ドクター&ナースがお話しする やさしい小児ぜんそくの治し方」という本です。
小児ぜんそくは、今は救急外来に駆け込むような病気ではなくなりました。心配しすぎず、でも、親御さんの理解次第で、お子さんの予後が大きくかわります。つまりそれをサポートする私たち、とくに看護師のハート、スキルがとても大切なのです。
そういう気持ちから、看護師と一緒に患者さんにお話しをするような気持ちで、いつもの診察室の風景そのままに、書いてみた本です。
まだ軽症だけど、ぜんそくが心配という方から、少し重くて毎日の薬が欠かせないという患者さんにも、小児ぜんそくの治療を理解することを楽しんでいただけると思います。
アマゾンのサイトにリンク
主婦と生活社(2015年5月~出荷を停止しているので、中古しかないかもしれません)

▲著者ふたり

遠距離通院が役立つような場合とは

たしかに、以前はかなり遠方から通院される方がおいでになりました。北海道から飛行機でいらした方もいますし、名古屋や仙台から通われた方もいます。入院中に外泊許可をとって来られ、そのまま退院して当院に転院した方もいます。ただ、そのころはそれでも意味があり、そうやって通院していただくことで、毎晩の救急外来通院から開放され、幼稚園に行けるようになったり、とにかく交通費を払ってもプラスだったと、私からみても思うような方がたくさんおいでになりました。
しかし、今は、世界でも先進的な小児ぜんそくガイドラインができ、日本中どこに住んでいても一定レベル以上の医療が受けられるようになってきています。もし、今、ぜんそくの専門診療を目的にした遠距離通院をするとしたら、ある程度年長のお子さんかと思います。ぜんそくという病気は、セカンドオピニオンが難しく、セカンドオピニオンを本当の意味で受けるならば1回、2回の通院では無理です。というのは、「経過をみてはじめて判断できる病気」だからです。なので、ワンポイントリリーフは無理。野球で言えば、「勝ちゲームを作るための中継ぎ投手」のような役割でいいのですが、最低でも何ヶ月かは通うつもりでないと難しいです。それならば、今でも少しは役立つかなと思います。そのあたりは、当院を受診される前にご理解いただきたいと思いますので、ぜひナースと事前にメールで相談してみてください。
また、セカンドオピニオンをご希望でしたら、こちらのページもご覧ください。

これって小児ぜんそくなの?(長引く咳)

咳が長引くのだけど、これって小児喘息じゃないの?と心配になることがありますね。「喘息っぽい」と言われて心配でというようなご相談もどうぞいらしてください。重症の人はむしろ診断自体は容易です。けれど、軽症のように見えるのだけど、頻度が多いような気がするとか、運動のときにせき込むというような、そんな患者さんの不安にもおこたえしたいと思っています。 セカンドオピニオンも、1回の診療でわかったようなことをお話しするのは難しい疾患ですが、看護師と一緒に(←これが大事!)しっかりと向き合っていきたいと思います。(紹介状はなくても大丈夫ですよ)
初診の患者さんにひとつお願いなのですが、もし「長引く咳」で受診されるのでしたら、ぜひ、セカンドオピニオン外来かかりつけでない初診の方へのページも読んでから来院していただけますと、とてもありがたいです。比較的重症の気管支ぜんそくでしたら、診断はそれほど難しくないのですが、「長引く咳」は、いろいろな可能性があり、しかも様子をみているうちに治ることもあり、専門医としての役割よりもかかりつけ的にしばらく診療していかないとわからないことが多いのです。そのためにも、事前に読んでいただけるとありがたいです。

小児ぜんそくを診療するための機器

小児ぜんそくの診療は以前は聴診器1本と吸入器ぐらいでした。でも、最近は機器の進歩もめざましく、診療にとても役立つようになりました。
当院にある機器のラインナップをご紹介します。