ヒースローから約一時間のフライト
辿り着いたのは
妖精と音楽の国
四日目(London-Dublin)
最後のロンドンを堪能するべく、朝はハイドパーク散策へ。
父さんはホテルで引き続きダウン。
四日目ともなると、心なしか体が重く感じる。
体重は確実に増しているのだ。
散歩をしていると、アメリカ人男性二人組に写真を頼まれる。
そういえば三年前ここに来た時は、アメリカ人の修学旅行グループに道を尋ねられたっけ。
間違っても日本では外国人に道も聞かないし写真も頼まない。
アメリカという国の広さを感じた。
ホテルに戻るとヒースローへ。
50分遅れで飛行機が到着。
イギリス人の国民性として挙げられるのが、
まず、この時間に対するルーズさだ。
電車もバスもなにもかも、普通に遅れる。
(少なくとも私が行った時や聞いた話の中ではみんなそうだ。)
イギリスに行った事のある友達は、この国民性にカンカンだったし、
日本では超時間にルーズと言われる私でさえ、ほんの少しやきもきした。
イギリスと日本は足してニで割ればちょうどいいんじゃないだろうか?
一時間ちょっとのフライトでアイルランドに到着。
陽気なタクシーの運ちゃんの歓迎をたっぷり受けホテルへ着くと、
さっそくアイルランド老舗の楽器屋"Waltons"へ向かう。
ダブリンは東京に近い感じだ。
アスファルトは冷たくて、ゴミも多い。
やけに都会的だと感じたのはロンドンにネオンがなかったせいだろうか?
Waltonsは驚くほど充実していた。
ティンウィッスル、ボーランなどの民族楽器はもちろんのこと、
バイオリン、ピアノ、フルート、サックス、ドラムセット・・・一般的楽器は一通り揃っていて、
なんとデジタルレコーディング関連の機材も小さいながらにコーナーを構えていた。
楽譜コーナーには、The CorrsやU2やらのバンドスコア。
よほど買って帰ろうかと思ったけれど、日本にもあるだろうとふんで買わなかった。
あとでものすごく後悔した事は言うまでもない。
ドラムセットを見ていると、同じ年ぐらいの男の子の店員が叩き始めた。
ウマい!!
会計の時にも彼が机をコツコツやっていて、
はぁぁ・・・見とれてしまうほどのリズム感。
帰り道では、小学生ぐらいの男の子がティンウィッスルを信じられない指まわしで吹いていた。
行く先々で誰もがプロ級、いやそれ以上の演奏をする。
この国は一体?!
二年ちょっと打楽器をやった事があるだけあって、少し落ち込んだ。
夜は愛介さんと落ち合い、
パブめぐり。
一件目。
めちゃ混み。
ニ軒目。
まずはギネスで乾杯。
タイミング良くリバーダンスのショーもやっていた。
リバーダンスとは、アイルランド特有の、上半身を動かさずに足だけで踊る踊りだ。
話し声と笑い声とリバーダンスの足音が頭上から降ってくる。
そして、とあるホテルのラウンジへ。
ギタリスト・ショーン(二日目参照)と合流。
ギタリスト、ショーン・ウィラン。
実はかなりのギタリストなのだけれど、腰が低くて優しい。
素敵な人だった。
三軒目。
ショーンの案内で街外れのパブへ。
入るや否や、
「わぁ、本物だ。」
激ウマ!ダブリンのセミプロ
CDで何度も聴いた、憧れのあの音が耳にダイレクトに飛び込んできた。
数人の若者が「アイリッシュ・セッション」に勤しんでいる。
「あの人達はプロなんですか?」
「うーん・・・セミプロかな?」とショーンの答え。
CDを出してヒットを飛ばしている人だけが上手い人じゃないのだ。
世の中には、まだまだ上手い人がいっぱいいて、
その才能をひけらかすことなく、
心から楽しむために、使っている。
ミュージシャンになりたい。
そんな私の今までの夢がぐらぐらと揺らいだ一夜。
素直に音楽を楽しみたいんだ。
そう、素直に。
追記:小学校六年生の時のイギリス紀行はこちら。(母のページのもの)