*このレポートは、留学中決められたテーマについてレポートをするという奨学金プログラムのために書かれたものです。場所・人名などは伏せてあります。
No.4-Event/Christmas
外国で迎える初めてのクリスマスだった。
私の滞在する小さな町も、ささやかながらクリスマスらしく電飾がなされ
学校の談話室も生徒によってにぎやかに飾り立てられた。クリスマスが近づくと、みんな何をし始めるか?
日本では、両親から子供へ、または友達同士でのプレゼントくらいだろうか。
イギリスでは、まずカードの交換が始まった。
このクリスマスカードは年賀状に当たるもので、 とりあえず一度でもしゃべったことのある人全員に渡す、という感じ。
それからプレゼント。
プレゼントはごく親しい友達や家族に贈られる。
カードは壁や暖炉の上、プレゼントはツリーの下へ・・・ のはずなのだけれど、
私の周りの多くの人はそれまで耐えられないようで、その場で開けていた。次は、クリスマスの買出し。
25日クリスマスと26日ボクシング・デイにはほとんどお店は閉まってしまうので、
クリスマスディナーのための材料はもちろんの事、大晦日よろしく他のものまでいろいろ買いだめする人が多い。その次に私がやったのは「ベイキング」。
そう、料理大苦手の私がホストファミリーに手取り足取り教えてもらって、
ソーセージロール、タルト、ミンスパイ作りなどに挑戦したのだ。
ミンスパイというのは干しぶどう・砂糖・リンゴなどを混ぜたものが入ったクリスマスにつきものの小さなパイ。
初体験のベイキングは成功だったのか・・・
ホストファミリーがクリスマス前に半分以上を食べきってしまっていたところを見ると、
なかなかうまくいったんじゃないかと思う。さて、待ちに待ったクリスマスの日。
朝、七面鳥の焼ける香ばしい香りがただよう中で、みんなでプレゼントを開け始めた。
幸いホストファミリーも私もクリスマスまで我慢できたので、クリスマスツリーの下には開けるプレゼントがいっぱい残っている。
プレゼントを開けるのに、おそらく一時間半くらいかけた。昼はいよいよクリスマスディナー。(私の住む地域では、昼ごはんをディナーと呼ぶ。)
ディナーにはホストファミリーが去年ホストしていた香港人の女の子も来た。
食べ始める前に、まずみんなでクラッカーを開ける。
イギリスのクラッカーは日本のあの円錐形のクラッカーとは違い筒状で、中に小さなおもちゃと紙が入っている。
紙にはなぞなぞやことわざが書かれていて、私のは「お庭で一番臭う動物は? 答え:あひる(おまるの形だから)」だった・・・
ディナーのメニューは、セージとオニオンの詰物、ヨークシャープディング(小麦粉・卵・牛乳を混ぜ肉汁で焼いたもの)、マッシュポテト、温野菜、そして七面鳥。
七面鳥は今まで食べたどの七面鳥よりおいしかった。
クリスマスディナー。手前に見えるのがクリスマス・クラッカー。クリスマスが終わると、まるでクリスマスなんて存在しなかったのように、町や人々はいつもの生活に戻る。
私も、日本人として密かに年末や正月が気にはなっていたけれど、周りの人と同じようにいつもの生活に戻った。
ツリーは取り去られ、カードはゴミ箱へ。
でも私は、カードだけは自分のトランクにしまいこんだ。
多分、これは一生で一度のクリスマスだっただろうから。
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