*このレポートは、留学中決められたテーマについてレポートをするという奨学金プログラムのために書かれたものです。場所・人名などは伏せてあります。
No.3-School Life Part 1
イギリスの高校は、どちらかというと大学という感じかもしれない。
私は、Comprehensive schoolに併設された、GCSE(General Certificate of Secondary Education)という試験を終えた人たちが進む
6th formという二年間のセクションに通っている。義務教育ではない。
科目はすべて選択制で、取れるのはたいてい4教科まで。最初は、その数が少ないので少し寂しい感じがしたけれど、
今は3教科しかとっていないにもかかわらず精一杯だ。
私は安易に好きな科目を取ったけれど、ネイティブの生徒は主にGCSEで特に成績の良かったものを取るらしい。 というわけで、クラスにいるのは、それぞれの教科の「エキスパート達」ということになる。
さて、安易に好きな科目を取ったと書いたけれど、実は選ぶときにかなり迷った。なぜなら、その種類が膨大でそれぞれあまりにも魅力的だったからだ。
下記がその教科一覧。(学校によっては、日本語を取れるところもある!)
SCHOOL BLOCK 1 BLOCK2 BLOCK 3 BLOCK 4 BLOCK 5 A High School Art Chemistry Biology History Russian Drama Religious Studies Computing English Language Further Mathematics Geography PE Economics/Business Geography Sociology Psychology English Literature Biology Psychology Design&Technology Physics Maths Travel&Tourism Music Computing French B High School Geography Art Geography Biology Business Health&Social Care ICT Human Biology Chemistry English Literature Maths Business Maths History Drama Design&Technology Performing Arts PE Music Psychology Psychology Physics English Literature Media Media Health&Social Care French C High School Chemistry Maths Psychology Biology PE English Literature Geography Business History Psychology Physics Sociology Music ICT French Drama Music Technology Art Technology Literature なぜ、こんなにも多くの教科数をカバーできるのか?それには二つの秘密がある。
一つは、上の表を見てもわかるとおり、授業が近隣の三校連携で行われているということ。自分の学校に取りたい教科がなければ、他の学校で取る、という仕組み。というわけでクラスには三校の生徒が入り混じっていて誰がどの学校だかわからない。
二つ目は、クラス一つ一つの人数。どのクラスも最大20人位までという少人数。少ないクラスにいたっては、なんと5人で授業。
はっきり言って、勉強についていくのは「かなり」大変だ。それは私の英語力がひどいからというのもあるけれど、まずクラスにいるのは先に述べたようにエキスパート達ばかりで、その中でのほぼゼロスタート。教科書は学校持ちなので予習復習が難しく、宿題や「コースワーク」と呼ばれる大変な課題が大量に出る。
おまけに、内容は日本で学習していたものとは大違い。
音楽の授業では、てっきり歌を歌ったりリコーダーを吹いたりするのかと思ったら、オーケストラのフルスコアの分析や和声学、コンピューターを使った作編曲をやるといわれて、びっくりした。
学校も、留学生だからと容赦してはくれない。
ハードルはあまりにも高く、泣きそうになりながらも、イギリス人の多分二、三倍の時間をかけて勉強をしてきた。何度も嫌になって投げ出そうとしたけれど、テスト前しか勉強しなかった私が、今はもう「これ」に慣れてしまっている。
それに、先生は、ちゃんと私のことを見ていてくれた。ある日、返された宿題を見ると、信じられないくらい良い点数がついていた。
それはEnglish Languageの宿題だった。このクラスは、留学生向けのクラスというわけではなく、英語を母国語とする生徒が文章の分析や作成をしたりするというクラスなので、実は続けるかどうか何度も問われたことがある。でも、悔しくて、私はやめなかった。(そして、何時間も勉強する羽目になった。)びっくりして先生の顔を見ると、先生は言った。
「あなたは諦めると思っていたよ。よくがんばったね。あなたの英語は、九月以来驚異的に上がったわ。」
「・・・ありがとうございます。」その時、留学生だからと容赦してくれなかった学校に、心から感謝した。
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