Act3.
パーカッション
「おー。礼儀正しいねー。」
何でか分らないが、その言葉を聞いたとたんホッとした。
少し背が低めの真面目な格好(一つ結びに長いスカート、白い短いソックス。これはかなり印象的だった。)
をした先輩が4人の先輩方の紹介をしてくれた。
まず最初に、N先輩。(3年生)
この先輩は、出身校が同じで私のことを知っているらしい。
背が高く足長で笑い顔だ。
次に、S先輩。(2年生)
眼がきれいで、笑顔の素敵な先輩だ。とても優しくしてくれた。
その次は、Y先輩。(2年生)
親しみやすそうな先輩だ。とても明るい。
もう1人I先輩(2年生)という方がいらっしゃるそうだが、今日は来ていない。
I先輩は、私に似てるそうだ。
そして最後に、パートリーダーであるT先輩。(もちろん3年生)
ちょっとこの人は違うぞ!という感じがした。
え?1年生のパートナーEさんはどうしたかって?
彼女は、パートが決まってから3日後にあらわれることになる。
自己紹介が終わると、T先輩は
「パーカッションは変な人ばっかだからどんどん変になってください。」
謎の笑みを浮かべて言った。
「?」
謎のメッセージをいわれると、私は音楽準備室に連れていかれた。
音楽準備室の横には、部員よせのためだかわからないがドラマ「L×I×V×E」のポスターがはってある。
いきなり、古びた机を渡された。
「こ、これはなんでしょうか?」
机のまん中あたりは、何かで叩かれたのかへこんでる。おまけにささくれだらけだ。
「これはRIOさん用の基礎練の机だから、今から基礎練のしかた教えるね。」
そういって、ばち、いやスティックを渡された。
基礎練のしかたを教えてもらうと、さっそくやってみた。
基礎練は、音楽室前の廊下でやる。なので、いっぱい人が通る。
はまってしまって、ずっとやり続けていると
「練習熱心だねぇ。」と他パートの先輩達に声をかけられたりした。
うれしかった。
水ぶくれがあちこちにできるまで、ずっとやっていた。
先輩にも「手首が柔らかくなってなってきたね。」といわれた。
何だかこのパートになれて良かったなぁ。と思った。
次にティンパニーの運び方など基礎知識を学んだ。
この日は、本当に楽しかった。
でも、片付けのとき銀色に輝くフルートを持った1年生の子を見たら、
少し胸が痛んだような記憶もある。
しかし、またこのパートになって良かった!とまた思い直してしまった
大ニュースを次の日聞かされる。