Act2.
なりたかった楽器
本入部3日目、私は先輩達にいわれたとおり音楽室へ向かった。
吹奏楽部には小学校の頃からの知っている先輩が何人もいて、
パート回りなどで温かく歓迎してくれたけれど
やっぱり同学年に知り合いがいないせいか
3日目になってもまだ顔がこわばりっぱなしだった。
部屋に入った。まだ私1人しかきていない。
フルートの音が下の階で鳴り響いている。
うっとりして聞き惚れているとそのうち何人かが部屋に入ってきて、
急に部屋は騒がしくなり(っていっても1年部員は、16人)
フルートの音は聞こえなくなってしまった。
今日は楽器きめるよー。
先輩が言った。
えっ?
まじ?パート回りしたけど
オーディションとかしないのかなー?
はっ!
パート回りと言う名のオーディションだったのか!!!!!
もうちょっと一生懸命吹けばよかったー。と舌打ちして私は、希望楽器用紙にこう書いた。
第一希望:フルート
第二希望:オーボエ
第三希望:パーカッション
第四希望:ファゴット ホルン
第五希望:弦バス サックス
(ファゴットと弦バスはいらないと言われた。)
ドキドキ・・・。発表の時が来た。
結構フルートになる自信は、あった。
んが・・・。
先輩「それでは、まずフルートから・・・。」
私「ゴクリ。」
先輩「Kさん。Eさん。以上2人です。」
私「えっ。」ガビーッン!!!!!
私「まあ。せいぜいオーボエにはひっかかるだろう。」
サックス。トロンボーン。トランペット。・・・。そこら中で歓声が上がる。
先輩「オーボエ。Sさん。」
私「・・・。」
最後。パーカッション・・・か。
先輩「パーカッション。RIOさん。Eさん。以上です。みんな各パートの教室にいってねー。」
パーカスは、音楽室だ。動かなくていい。みんな音楽室を出ていく。
こわごわ先輩に挨拶をする。
「こんにちは。宜しくお願いします・・・。」