*このレポートは、留学中決められたテーマについてレポートをするという奨学金プログラムのために書かれたものです。場所・人名などは伏せてあります。
No.6-Free theme/English and me
英語と私、について書いてみようと思う。
私の留学の目的の一つは「英語の上達」だった。小さい頃から英語が好きでしょうがなかったのだ。
高校も英語専門の高校に入った。毎日英語の授業を受け、英語を書き、読み、聞き、しゃべる楽しみ。
特に、英語をしゃべっていると、日常から、日本という地からワープしたようで気分が高揚した。そして、高校二年生の夏、私は更なる向上を求めイギリスへ発つことになる。
正直言うと、出発時点で私は自分の英語に少し自信があった。
学校でも英語の成績は比較的良かったし、○○(留学凱旋団体)のオリエンテーションでも一応「fine」だった。
けれども私を待ち構えていたのは・・・イギリス二日目、ホストファミリーと初対面の日、今でも鮮やかによみがえる。この日は人生で最高にぶちのめされた日だ。
ホストファミリーの家につきドアを開けると、待っていたのはホストマザーのキツーいハグ。
数秒にして異世界に引き込まれた私は、嬉しいはずなのに、ずっと求めていたはずなのに、
怖気づいてしまって笑顔を返すことしかできなかった。
「ダメだ、こんなんじゃ典型的な英語のできない日本人だ・・・。」
そんな危機感を覚え、なるべく長い文章を話そうと試みてみる。「〜〜が○○してね、それで△△だったのね、だから」とそんな風に自然に続く文章。
でも、ダメだった。思考回路そのものがストップしていてもう何も考えられなかった。
なぜ?三人称単数現在形の一致さえしどろもどろになってしまう。学校が始まってからも英語に苦労する日々が続く。
授業の内容を理解するか?英語を理解するか?どちらを優先にすればいいのかわからなくてパニックにもなった。
友達との会話もままならない。なにか質問されると何回も聞きなおすものだからそれ以降話しかけてこなくなる、という人もいた。
おまけに私の町は結構訛っている。
電子辞書が無ければ怖くて外出できなかった。最初の数日間は不安で不安で、毎日親に電話をしていたような気がする。
学校ではEnglish Language(言語学的英語)を取り、毎週土曜日は大学の外国人向け英語教室に通い、寝る前には辞書や単語帳を眺め、
「いつになったらうまくなるんだろう・・・」意味も無く毎日焦りを覚えていた。けれども、いつ頃からだろうか?いつになったら、と考えることさえやめてしまった。
親に電話する回数も一週間ごと、一ヵ月ごと、数ヵ月ごと、と間隔が開いていき、最後に電話したのはいつかもう思い出せない。
今では無意識に言葉が出てくるようになったわけだけれど、最初からこのくらいはできたような気がするし、できなかったような気もする。
辛い思いをした記憶はあるけれど、どれくらい辛かったのかは今となっては靄の中。
ただ、周りは言う。
「RIO、あんたの英語は本当に変わった。」でも今の自分の英語には、正直言おう、全く満足していない。
私という蛙は、日本という井戸から抜けて、もっともっと高いところに自分の目標を見つけてしまったからだ。
We always keep going. There's nowhere to stop.
私は帰国してからも英語の勉強をやめないだろう。いや、死ぬまで。
なぜって、私達は無限大に成長できるから。
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