Friendly(友好的) or Closed(排他的)
当時私は、カナダ人が組織する色々なグループやサークルに所属した際、
常に感じた思いがこの二つの言葉だったのです。
おそらく、これはカナダだけではなく、日本も含め、世界中何処でも同じ状況が
存在するのでしょうが、、、。
実際、私もテニスクラブに新メンバーが入会した際、初めは友好的な態度で
ゲームに誘ったりはしますが、その後はやはり、気の合った仲間達とプレイを
した方が楽しいと思ってしまうのが現実です。
歳を重ねる毎に保守的になって来るのは止むを得ない事なのでしょうか?
前章にも書いている様に、バンクーバーはイギリス色を色濃く出している地域故、
基本的には、排他的個人主義者が多いようです。
そして、その上、もちろん保守的なのは言うまでもありません。
例えば、以前から成り立っている組織に新参者が来ると、初めは彼等の
好奇心から友好的な対応を受けるのですが、しかしそれは直ぐ、何時までも
部外者である事を実感させられるような排他的な態度へと移って行くのです。
しかし、ウエンディの応援で一期で止めることも無く、図々しく次の期にも登録
して通学をしてみると、彼等の態度が一変したのでした。
つまり、私を受け入れてくれたのです。
これは、本当に不思議な事ですが、スペイン語クラスだけでは無く、似た様な
シチュエーションで所属していた ノース・バンクーバーのコミュニティで運営され
ているにJazz Big Band でも、全く同様の事が起こったのでした。
一期:3ヶ月間(Big Bandの場合は一年でした)彼等の排他的な態度の状況下
で挫ける事なく、次の期も続けると言う事は、その熱意と真剣さを認めて貰える
事であり、彼等の信頼を勝ち得る事だったのです。
その後、私達が日本に帰国するまでの5年間、スペイン語クラスは最後まで
リタイアする事も無く、年2〜3回定例で行っているパーティに、私達夫婦は彼等
の仲間の一員として何時も参加していたのでした。
それは私達にとっても、掛け替えのない貴重な思い出です。

此処でそのクラスメートをご紹介します。


ロジャー宅でのXmasパーティ
後列 ロジャーのBoyFriend、ゴンザレス先生、ボブ、ボブの奥さん、ヘレン
ブルースの奥さん、私、先生の奥さん、主人、フアニ−タ、そしてロジャー



先生のEnrique Gonzalez(エンリケ・ゴンザレス)
南米のチリからの移民です。
バンクーバーでは何故か、南米ボリビアの領事の仕事をしていました。
いたずらとジョークの大好きな先生。2人の息子は有名な演出家とテニスプロ。
奥さんのEliana(エリアナ)にはオリジナルCDのガラパゴスアイランドのスペイン
語訳で監修をして頂きました。

Helen Harrison (ヘレン・ハリソン)
グループのリーダー格として、皆を仕切っていた、ラインダンスとお花の大好きな、
とても聡明で毅然としたイギリス人レディ:ヘレン。
毎年、Xmasパーティと夏の花火大会のパーティは彼女の素敵な家で催されました。
残念な事に、美しく優しかった彼女は、私の帰国後、天国に逝ってしまいました。
いまでも、彼女の家で毎年皆で歌った、スペイン語のXmasソングはとても懐かしく
思い出されます。

Bob Kerr(ボブ・ケ−ル)
ヘレンと大の仲良しの、おしゃれでエレガントなボブは、昔鉄道会社に勤めていた
エリートで、とても温厚で素敵なイギリス人紳士でした。
今でもその彼のやさしい笑顔が忘れられません。
当時、耳が悪かった所為か、私の話す英語やスペイン語が良く聞き取れず、
何故か私を優等生と勘違いしていたようです。
悲しい事に、彼も今は亡きスペイン語クラスメートの1人です。

Bruce Harrower(ブルース・ハロワ−)
スコットランド訛りのきつい英語で話すスコットランド人ブルース。
私達にしてみればイギリス人でしょ?と思うのですが、彼等は誇り高きハイランダー!
アイルランド人もイギリスから独立を目指して、血生臭く、許しがたいテロ行動を辞め
ないほど、民族問題は私達には理解出来ないシリアスな問題なのです。
彼は、長年勤めた仕事を退職した後は、複数のBandで念願のドラムを叩いたり、
最近、バイオリンを始める等、行動力と好奇心の強い人です。
毎年、家族や友人達と避寒地でメキシコに訪れている、羨ましい余生を送っています。
奥様のBarbara(バーバラ)と彼は、おしゃべりと冗談好きな楽しいカップルです。

Roger Drouin(ロジャー・ドロアン)
何故か(?)男友達と同棲していた、粋でおしゃれなフランス人のロジャー。
彼は、流石にフランス語を話せるので、一番スペイン語が上手でした。
以前、海軍でコックをしていただけあって、料理の腕前はプロ級(プロ?)でした。
Xmasパーティに、何時も自家製の美味しいお菓子を持参し、私達はご馳走になりました。
彼も残念な事に、数年前、神の身元に逝ってしまいました。

Juanita Godwin(フアニータ・ゴードウィン)
若い時、看護婦をしていたカリフォルニア出身の猫好きなファニータ。
彼女のファニータと言う名前は、生粋のアングロ・アメリカ人にも拘らず、スパニッシュ
好きの父親が名づけたと、不思議がって質問した私に、そう愉快に語ってくれました。
数年前、娘がバンクーバーに移り住んだ事がきっかけにカナダに移住して来たのです。
最近、体の調子が悪いと娘から知らされ、彼女の健康をとても案じています。


何時まで経っても向学心を忘れず、人生を楽しんで生きている彼等のエネルギッシュで
若々しい姿を見て、私は、いつも驚きを持て励まされて来ました。
そして、存在論等の人生の根本原理を追及する“哲学”である私達の大切な思念に、
新たな指標を提示してくれたような気がします。
それは、
一度しかない人生、死ぬ日に向かって生きているカウントダウンの“どう老いて行くのか?”
では無く、何時までも生きがいを持ち続ける、意識の中には決して終わりのないエンドレスの
“どう、生きて行くのか?”と言う課題に対して、答えを出す事なのだと気付かされた事でした。


我が家でのガーデンパーティ
後列先生、主人、ブルース、ボブ、ロジャーの彼、ロジャー、エド
バーバラ(ブルースの奥さん)私、ヘレン、べス(ボブの奥さん)エレアナ(先生の奥さん)



心から彼等の健康と幸せをお祈りいたします。
Friendly(友好的)? or Closed(排他的)?
Spanish Class Part1
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Episode7
彼等の事を綴ったEssay 
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