おたふくかぜワクチン

おたふくかぜは合併症が怖い

おたふくかぜは、耳下腺の腫れだけで済めばよいのですが、実は多くの合併症があります。
永久難聴(治らない難聴)が従来言われていたよりも多く、1000人に1人の割で起こることがわかりました。脳炎や死亡もあります。
また、大きくなってからかかると、睾丸炎、卵巣炎などが多く、不妊の原因になります。
多くの国では、ワクチンで予防(MRワクチンにおたふくかぜワクチンを混合したMMRワクチンを使って2回接種しています)しているので、ほとんど流行しませんが、日本では任意接種ですので、流行が続いています。

接種スケジュール

1回接種で済ますのであれば、2~3歳ごろに接種するのが良いと言われていました。これは0~1歳にはおたふくかぜが稀であることや、3歳ぐらいから幼稚園などの集団生活に入る子が多かったことが理由かなと思います。(現状とは多少違いますが)
2回接種をする予定であれば、1回目はMRや水ぼうそうよりは多少遅くてもよいですが、1歳になったら早めの接種をおすすめします。(MRや水ぼうそうと同時接種でも良いと思います)
2回目は、日本小児科学会では、5歳以上7歳未満で、VPDの会では、3歳以上7歳未満での接種を推奨しています。ただ、保育園などで感染しないということが目的であれば、もう少し早くてもよいかと思います。一方で受験などのシーズンの前に抗体価をあげておきたいということであれば、その半年~1年前ぐらいには接種するという選択肢もあります。

副作用

数千人に1人程度と非常に稀ですが、接種後2週間ぐらい(おたふくかぜの潜伏期に相当)で、無菌性髄膜炎を発症することがあります。発熱、嘔吐がその頃にあったら、ひとつの可能性として考えます。しかし、無菌性髄膜炎の頻度は自然感染(100人に1~2人)に比べると極めて低く、軽症です。

任意接種だが助成はないのか

多くの自治体で助成がありますが、横浜市にはその制度がありません。