MRワクチン(19歳以上の男女を対象にした横浜市独自の対策)

建前上は風しん対策だが麻しんの予防も兼ねた大切な対策

言うまでもなく、麻しん(はしか)は大変恐ろしい病気です。そして風しんは妊婦に感染したら赤ちゃんに障害をもたらすことがある病気です。どちらも流行して大騒ぎになったことは皆さんも記憶に新しいと思います。単純なことですが、皆がこのワクチンを接種してさえくれれば、社会での流行はなくなります。効果も極めて高いワクチンです。横浜市では過去に2回風しんのワクチンをしていることがはっきりしている人を除き、19歳以上の男女を対象にしてMRワクチンの費用助成をしています。
横浜市のホームページはこちらです。(しばらく継続されるかもしれませんが、2020年3月31日までとなっています)

接種対象

19歳以上の横浜市民で、過去に風しんワクチンを2回以上していない方で、
  • 妊娠を希望されている女性
  • 妊娠を希望されている女性のパートナー
  • 妊婦のパートナー
のいずれかに該当することが原則になっていますが、高齢者は通常対象にはならないと思われますが、男性女性ともに、妊娠をすぐに希望しているという意味ではなく、あまり厳しい規則ではありません。また、自治体のほうでも、風しんだけではなく、麻しん対策としても活用したいのが本音ですので、できるだけ多くの市民に接種機会を提供したいという思いがあると思われます。過去に風しんワクチンを2回接種している方は対象にはなりませんが、それ以外の方については、お気軽にご相談ください。

女性の方へ・避妊期間について

接種後2ヶ月間は、避妊をすることが必要になります。ご了解の上、接種を受けてください。

料金

¥3300

風しん第5期定期予防接種について(実施期間 2019.6月頃~2020.3.31)

昭和37(1962)年4月2日~昭和54(1979)年4月1日生まれの男性は、風しん第5期の予防接種(風しん第5期といっても、接種するワクチンはMRワクチンですので、麻しん対策にも重要です。ただし、MRワクチンを無料で受けるためには、事前に風しんの抗体検査を受け、抗体価がHI法で8倍以下であることが要件になっています。麻しんの抗体価については、無料で抗体価を測定できないばかりでなく、麻しんの抗体価がいくら低くても、風しんの抗体価が8倍以下でなければ、MRワクチンを無料で接種することができなくなってしまいます。このようなことから、当院では、横浜市の助成制度が使える方は、抗体価測定も必要ありませんし、2度来院する必要もないので、抗体価測定をせずにMRワクチンを¥3300で接種していただくことをおすすめします。当院では、横浜市独自の助成制度がありますので、風しん第5期の取り扱いはしていません。なお、風しん第5期の要件に、抗体検査を入れている理由は、MRワクチンの不足を防ぐためですが、多くの関係者の予想では、MRワクチンが余るということですので、むしろ横浜市の助成制度のようにダイレクトに接種することをおすすめしたほうが良いと思います。

横浜市の制度では抗体価測定はできないのか

こちらも風しん第5期とは違いますが、風しん対策が建前ですから、風しんの抗体価測定は無料です。しかし、麻しん抗体は測定してもらえませんし、しかし、その結果、風しんの抗体価が16倍以下(国の風しん第5期の基準は8倍以下)でないと、MRワクチンの接種助成が受けられませんので、麻しん対策のためにも、抗体価検査はせずに、MRワクチンを接種するほうが良いと思います。
それに風しんの抗体価は、固定的なものではなく、年々低下していくわけですから、抗体価を測定せずに、MRワクチンを接種するほうが合理的です。もちろん、麻しん、風しんとも抗体価が非常に高いことがわかっている人に接種する必要はありませんが、抗体価が高い人、あるいはすでに罹患したことがある方であっても、にワクチンを接種することは何の問題もありません。