Medical Staff の視点
看護師の目から
星川小児クリニック 小林晴美 佐野めぐみ
インタビュー記事をホームページで読める形式にしました。文章は記者が作ってくれたものです。
2006年の記事なので、ナースキャップをかぶっていますが、今は当院ではナースキャップは使っていません。
小児ぜんそくに対する不安を解消するには?
当クリニックには、治療のために来院される患者様だけでなく、小児喘息という疾患に不安をもって相談に来られるご両親もたくさんいらっしゃいます。中には、喘息に対する理解が不十分なために、「喘息=重い病気」と思い込んで過度に心配される方もいらっしゃいます。<br>
そのような方にも、時間をかけてお話しを聞き、また治療の目的や個々のお薬の作用などをひとつひとつ説明するようにさまざまな工夫をしています。しかし、先生だけでは時間は限られるだけでなく、ご両親もうちとけてお話しすることが難しいです。<br>
当クリニックでは、予診は看護師がとり、問題点を整理します。診察中も必ず看護師が同席し、その看護師が診察後、あるいは診察の途中に、患者様(ご両親)とお話しする時間をつくり、先生の説明を補足したり、患者様からの質問を受けたりして、患者様やご両親の不安を解消するように心がけています。
吸入指導のポイントは?
お薬についてはその作用と効果を、吸入器や吸入補助器具が必要な場合にはクリニックにある機器を実際に使いながら説明します。中でも吸入ステロイド薬は長期間使用するお薬ですから、患者様やご両親が続けやすいように、投薬の時間帯や1日何回吸入するかなども調整してあげることが大事かなと思います。きちんと吸えているか不安な患者様については、再度手技を確認したり、必要に応じて吸入補助器具の変更もします。
また、当クリニックではほとんどの喘息患者様に、「ぜんそく日記」をつけてもらっています。診察時には日記は必需品。日記を前にして、ここ数週間を振り返りながら理解を深め、今後につなげるような診療ができます。また、副作用の不安も使っているうちにでてくることがありますので、そのようなお話しにはいつでも気持ちよく対応したいと思っています。そのせいか、患者様の判断で吸入を止めてしまうことはほとんどありません。止めてしまった方には何かしら理由があるでしょうから、必ずその理由をお聞きしています。そうするとまたそこで私たちと話ができ、患者様も吸入療法の必要性を再認識して治療意欲を高める機会にもなると思います。
喘息治療における看護師の役割とは?
クリニックは大病院に比べて、患者様やご両親と接する時間に恵まれているので、患者様が喘息という疾患をどのくらい理解されているかが把握しやすく、それに合わせた個々の患者教育が可能です。当クリニックでは先生の診療に看護師が必ずつき、その後のフォローを看護師がするというスタイルで、看護師による患者教育に力を入れていますが、ここで働いていて実感するのは、そのような私たちの日常の仕事が、喘息のコントロールに直接つながり、発作入院も非常に少ないということです。これは私たちにとっても大変嬉しいことです。「喘息って看護師のサポートが予後に大きな影響を与える病気だよ」と、先生が言ってくれます。