ケロッとしないときは髄膜炎と腸重積が心配


 嘔吐ではじまる病気の中で、とくに見落とさないように注意しなくてはならないのは、髄膜炎と腸重積です。
 このような病気を疑ったときは、水分補給どころではありません。夜間休日でも大至急受診しましょう。
 髄膜炎は中枢神経系の感染症なので、激しい頭痛、発熱をともないます。重症の場合は意識がおかしくなります。小さな子は頭痛を訴えることができないので、とにかく機嫌が悪く苦しそうになります。小児科医も嘔吐というと最初は急性消化不良かな?と思うのですが、それにしては機嫌が悪すぎる、頭が痛いのかな?というようなときに髄膜炎を疑うことが多いです。
 また、おむつ替えのときに足を持ち上げると頭をとても痛がって激しく泣くようなときは髄膜炎の疑いが強くなります。
 腸重積は、生後6ヶ月〜2歳ぐらいの子に多く、腸が腸の中にくい込んでよじれてしまうことによる病気で、10〜30分ごとにくり返し腹痛があります。最初は急性消化不良症とよく似ていますし、また消化不良症の途中で腸重積になることだってあるので、「消化不良ですね」と言われて帰宅した後でも注意しておいてください。痛がり方がふつうではなく、非常に不機嫌になります。重なりあった腸の部分から出血するため血便が特徴と言われますが、血便は浣腸をしてはじめてわかることもあるので、要注意。発症後24時間以内に病院で高圧浣腸をして腸をもとのように戻してあげないと手術をしなくてはならないこともあります。


トップへ