ロタウイルスワクチン（ロタリックス）の副作用について

• 国内臨床試験で接種後３０日間に報告された主な副反応
  • ぐずり（７．３％）、下痢（３．５％）、咳・鼻みず（３．３％）　※常識的に考えて、咳・鼻みずがこのワクチンの副反応であるはずはありませんが、どのような症状であっても一応報告されることになっているので、このような記述になります。
• 海外臨床試験で報告された副反応
  • ぐずり、下痢（１〜１０％未満）、お腹がはる、腹痛、皮膚炎（０．１〜１％未満）
• 海外の市販後調査で、接種後に報告された主な副反応
  • 腸重積症、血便排泄、重症複合型免疫不全のある患者さんのワクチンウイルス排泄を伴う胃腸炎

以上のような報告があります。ロタテックの副作用についてもおおむね同じようなものと理解してよいと思います。

【2013.8.15追記】

米国家庭医学会（AAFP）は2013年6月24日、予防接種に関する最近の問題について、米国疾病対策センター（CDC）の内部機関である予防接種実施に関する諮問委員会（ACIP）での議論を紹介しました。
議題の一つは、ロタウイルスワクチン接種を受けた小児の腸重積リスク上昇についてですが、ワクチン接種後の腸重積の発症は、接種を受けた小児では10万人当たり0.7-5.4人増加すると推定されます。しかし、ワクチン接種により死亡、入院、救急外来受診に至る腸重積患児が1人発生する事例に対して、ロタウイルス感染による死亡を免れる患児は100人、入院を免れる患児は1000人、救急外来受診を免れる患児は1万人と推定され、ロタウイルスワクチンの利益は明らかに大きいと報告し、CDCはワクチン接種を強く勧めています。