小児科のかかりつけ医の役割   
かかりつけの小児科の意味を考えてしまうとき・・・

ときどき、2〜3歳ぐらいのお子さんが熱を出したということで、全く初診の方がおいでになることがあります。土曜の午後とか、木曜だったら、かかりつけの先生がお休みの日だからということもあるのですが、「かかりつけ医はどちらですか?」とお聞きすると、「かかりつけ医はいません」というような答えが返ってくることもしばしばあります。
もちろん、家庭での初期対応が理解できていて、発熱したとき、嘔吐したとき、どう観察し、どういう状態だったら病院に連れていくべきかを知っている方だったら、もしかして生まれてこのかた、予防接種以外で医療機関を利用したことがない・・・としても変ではないのですが、実は全くその逆で、「熱が出たら、吐いたら、そのときにやっている小児科に連れて行けばいいと思っていた・・・」というのです。
救急外来とか、たまたま来ました・・・という方が来ても、そこは「かかりつけ」ではありませんから、たいてい「家庭での様子のみかた」などは教えてくれません。(教えてさしあげると感謝されることもあります・・・が、「せっかく来てやったんだから、さっさと薬出せよ!」怒り出す人もいますので、あんまり親身になってお教えするのも善し悪しなので・・・) ですから、その子がたまたま「自然に治る病気」にだけかかって今まできたのであれば、「かかりつけ医なんて選ぶ必要はなく、その場その場で適当にやっているお店を探せばいいだけじゃん?」と思われても不思議じゃないわけですね。

その他に、例えば、5〜6歳ぐらいの子を連れてこられた方で、「いつもの小児科に行って薬をもらったのに咳が止まらないから来ました」というような人が来ることがあります。(とても多い)
たいてい、「薬が合わないみたいで〜」などとおっしゃいます。

「その先生はどういう説明をしましたか?」
「特に・・・別に・・・」
???
「じゃあ何回いらしたのですか?」
「一応2回行ってみたんですが」
「それでも咳が止まらないと言うことはその先生には伝えましたか?」
「いえ、だから〜・・・止まらないからここに来たんです。友達から聞いてここがいいっていうから・・・」
???
「その先生は聴診では呼吸の音はどうだとおっしゃってましたか?」
「・・・???・・・もらった薬はこれですけど?」
「薬はナースが予診のときにうかがったので、こちらのカルテにも書いてありますが、呼吸の音はどうでしたか?」
「・・・ここにくると検査してもらえるって聞いたので〜」
???

この場合、「いつもの医者=かかりつけの小児科」と、患者さんは思っているようですが、残念ながら信頼関係は何もないみたいです。こういう場合、その人にとってはですが、その先生は、本当は、「かかりつけの小児科」とは言えないと思います。近所にあるただの「薬の自動販売機」と思ってつきあっていたということなんですね。親御さんに問題があるのか、その先生に問題があるのか、それはよくわからないけれど、このような患者さんとお会いすると、「かかりつけの小児科」の意味をぜひ皆さんも考えてみてほしいな・・・と思ってしまいます。かかりつけ医だからこそ、患者さんと共有している「こどもの病気をみていく上での感性のようなもの」が大切になるのですが、それが何もない状態からのスタートになるので、普段からかかりつけ医として来てくださっている方と比べると診療は難しいです。もちろん転居などでかかりつけ医が変わることはありますし、当院でも少し大きくなられてからのおつきあいということはありますが、小さい頃(親御さんが初心者であった頃)、良いかかりつけ医に恵まれていた患者さんはやっぱり違うな(^^)という気がします。

このページを読んで、気が重くなり、星川小児クリニックには行けないなあ〜と思われてしまうような方・・・もしかしたらいらっしゃるかもしれません。でも、そんなふうには思わないでください。いつからでもやり直すことはできますよ(^^)

質問あなたにとってかかりつけの小児科とはどんなところですか?

  1. 病気になったらすぐに行って薬をもらうところ
  2. 予防接種をしてもらうところ
  3. 乳幼児健診をうけるところ
  4. 予防接種や乳幼児健診、診療はもちろんだけど、病気になったときに家庭でどう対応してくか、予防接種の必要性はどうなのか・・・など、いろいろな機会に、ドクターやナースから情報をもらって、安心して子育てができるようにサポートしてもらうところ